さあ、それからひっくり返るような大騒ぎです。この奇蹟は大評判となりました。目をわずらった人々が遠方から、次から次へと平吉のもとへ来るようになったのです。
ある日のことです。群馬県の館林から、眼病の女の人が手を引かれて、利根川を舟で渡ってやってきました。ところが平吉は、その女性をひと目見るなり、怒って言いました。
「お前はだめだから帰れ!治るか治らないかわかるものか、というところへなぜ来た。お前はここへ来る道で、神様が治すと言ったって、あてになりゃしない、私の目はどうせ治りゃしないよと、せっかく手を引いて連れて来てくれたこの人に言ったじゃないか!」
女の人は、たいへんおどろき、土下座して泣きながら言いました。
「私が悪かったんです。どうか勘弁してください」
ちょうどそこへ帰って来た平吉の父は、気の毒に思い、
「平吉!そんなことを言うものではない。治してやれ」
言いましたが、平吉は、
「だって、神様がだめだと言うからだめだ」
と聞こうとせず、プイとどこかへ行ってしまいました。女の人は半日庭で泣き伏して、とうとう帰っていきました。
ある日のことです。群馬県の館林から、眼病の女の人が手を引かれて、利根川を舟で渡ってやってきました。ところが平吉は、その女性をひと目見るなり、怒って言いました。
「お前はだめだから帰れ!治るか治らないかわかるものか、というところへなぜ来た。お前はここへ来る道で、神様が治すと言ったって、あてになりゃしない、私の目はどうせ治りゃしないよと、せっかく手を引いて連れて来てくれたこの人に言ったじゃないか!」
女の人は、たいへんおどろき、土下座して泣きながら言いました。
「私が悪かったんです。どうか勘弁してください」
ちょうどそこへ帰って来た平吉の父は、気の毒に思い、
「平吉!そんなことを言うものではない。治してやれ」
言いましたが、平吉は、
「だって、神様がだめだと言うからだめだ」
と聞こうとせず、プイとどこかへ行ってしまいました。女の人は半日庭で泣き伏して、とうとう帰っていきました。
- 白い長いひげのおじいさん
- 平吉のおかしな行動
- キツネつきのうわさ
- 目が見えるようになった紺屋のおじいさん
- 神様に見放された館林の女性
- 掛け軸の文字